片思い 夕ごはんの支度が一段落して、あとシロップが帰ってきたら仕上げをすればいいだけにしておいた。 だから私はココ様とナッツ様がいるリビングに行こうと階段を上がっていった。 だから決して私はお二人の会話を立ち聞きしちゃおうとか、 そんなことは全く思ってなかったんだけど・・・・ 「夢を、一緒に夢をかなえたい女性がいるって言った」 「・・・・そうか」 わかってはいるけどココ様は本当にのぞみが好きなのね。 私がどんなに邪魔しても全く無意味。そんなことわかっていたことなんだけど私ってピエロだわ! 「あれ・・・?なんでクレープはのぞみってわかったんだろう・・・?」 「むしろわからないほうがおかしいだろ」 「えええええ、そんなにあからさま、かなぁ・・・・?」 ココ様・・・天然はいりすぎです・・・・ 「手放すことができなくなるぞ」 「・・・・・・・・」 「言葉にすればこそ、できなくなることもある」 「すっきりしたっていうのは・・・つまりそういうことさ」 「・・・そういうことか」 「ああ」 この会話ってどうつっこんでいいのかしら・・・ていうか、どういうことなのかしら? どうしよう、私階段上がれないんですけど。どうしてシロップはこういうときに限って帰ってくるのが遅いのかしら! 「手放さない」 「・・・・・・・そうか」 「次はもう、放さない」 気がついたら私は泣いていた。 (本当に私、失恋したんだわ・・・・) 私のほうが何でもできるしこんなに美人なのに! そっと階段を下りて外のウッドデッキに座り込んだ。そのときシロップが帰ってきた。 「ただいま!腹へったよ〜飯ある?」 この嘘のない明るさが私には救いだった。 fin(08/june/2009) |