side N

私はいつからココのことを好きになったのかなぁ?


と、考えることがある。
私は今まで気持ちに重さがあるなんて知らなかったの。

ココと出会ったときのことはいまでも忘れられない。
私はずっとやりたいことを探していて、いろんなことにチャレンジしたけどことごとく失敗して、正直ちょっとお疲れ気味だった頃。
ふっと見つけたピンクの蝶。パルミエの光の蝶。
どうして光の蝶が私に見えたのかわからない。普通の人には見えないんだって。
でも、あの蝶が私とココを引き合わせたのは間違いないよね?
一目惚れっていうのがもしあるんならあの瞬間、私は間違いなくココに一目惚れしたんだと思う。
いろーーーーーーーーーーーーーーーんなことがたくさんあって、
私はいつもココにドキドキさせられていたけど、
毎日毎日にわくわくしちゃってあまり深く考えたことってなかった気がする。

りんちゃんやうららにこまちさんにかれんさん、すっごい大切な仲間ができて、
ナッツも大切な人になって、多分それよりもココが大切な人。
そんな感じだったのかもしれない。
ひょっとしたら深く考えることに蓋を自分でしていたのかもしれない。それは今はわからない。

ココがラブレターをもらってるのをみて自分でもびっくりするぐらいショックで・・・多分このとき初めてココをすっごく好きなことに気がついたのかも。自分の気持ちの本当の重さに気がついたのはクリスマスの時。でも、このときどれだけココのことが好きなんだって気がついても、すぐ後にはサヨナラだったから、 ひょっとしたら私の本当の恋が始まったのはココと別れた日だったんじゃないかなって思う。

我ながら鈍いのかなぁ?とか思うけど、初恋なんだもん!仕方ないじゃん!
みんながいてくれたから笑えたし、先生になろう!って夢ができたからがんばろうと思えた。
でも、胸にぽっかりと穴があいてしまって私はその穴を埋めることができなかった。
誰にも言えなかった。言ってしまったらきっと私泣いちゃうもん。

こまちさんがうらやましかった。
ナッツの大事にしていた『鍵』をもらって、いつも大切に持ち歩いているのを知っているから。
私もココに何かもらえればよかったのに。ああ、でももし何かもらっていたらきっと私は前に進めなくなっちゃうかもしれない。

手紙を書いたって届くわけないのに。書いた後、泣きそうになったのは秘密。

でも逆に私に不思議な手紙が届いたとき、この手紙はきっとココに繋がってるって思っちゃった。
迷いはない。みんなが反対しても私は行く。キュアローズガーデンに。ほんの少しでも会える可能性があるのなら恋する乙女は迷わない!
このすぐあとに再会できたとき、私は本当は泣きそうだった。
でもココはすっごくそっけなくって、ひょっとして私の気持ちが重くて会いたくなかったのかな?って思った。私はうれしかったけど、ココがそうとは限らないもん・・・ね。
その心配は全くの勘違いだったけど、なんとなーく、告白めいたことを言ったけど残念ながらちゃんとした言葉はもらえなかった。でも私のキモチは伝わったかな?

でも最近、胸がもやもや、というかチリチリするんだ。
原因はわかってて、転園してきた美々野くるみさん。
なんでもできるすーぱーがーる!その上青い薔薇を司るミルキーローズなんだよね!

私には闘わなきゃいけない理由がある。
キュアローズガーデンへいくために、ローズパクトを守らなきゃいけない。
でもそれよりも私はココを守ることが大事なの。
キュアローズガーデンへはココといかないと意味がないの。
だから私は絶対に負けちゃいけない!なのに、私の力だけでは、私たちの力だけではどうしても守りきれないって思い知らされたとき、彼女が現れて守ってくれた。

私は本当に感謝してるし、みんなが敵か味方かわからないって彼女のことをいったけど、
私にはわかった。彼女は絶対に味方だって!
でもその反面、ココを守りきれなかった自分が辛かった。

なんでもできるスーパーガールでココを慕っているくるみと
なんにもできなくて守ることすらできなかった自分と。
なんだかココに話しかけようとするといつもくるみに邪魔されてる気がする。
その場所は私のところだったんだけどなぁ・・・・
こんなことじゃだめだ!

「のぞみー!」
一人になりたくて学園の並木道を帰る途中、後ろからシロップに呼ばれた。
「なぁに?どうしたの?」
「めずらしく一人で歩いているから声かけてみた」
「私だって一人で考え事したいときだってあるんだからね!」
「どーせあいつ絡みだろ?」
「・・・見てたんだ」
「別に見かけただけだぜ?見ようとおもってみたわけじゃないぜ?」
シロップはいつも意地悪そうな態度をとったり言葉をいったりするけれど、実はちゃんと見ていてくれたりするのを私は知っている。ココとくるみが一緒にいるのを見るのが嫌でさっさと帰ろうとしたんだけど、私変な顔してたのかな?
「なぁ、もうやめれば?」
「・・・・・何を」
「あいつなんかやめていっそ俺にしとけば?」
一瞬頭が真っ白になった。
シロップは腕を頭の上で組んでなんてない顔をしている。
むにっ
私はシロップにほっぺたを思いっきり引っ張られた。
「いだだだだだだだだ」
「冗談に決まってるだろ」
「・・・・・もうっ!」
私は本当に恥ずかしくなっておもわず叩くまねをした。
シロップがばっかだなー!と大笑いして、私も大笑いしたら、なんだか気持ちが軽くなった。

「のぞみー!」
向こうのほうからココが私を呼ぶ声が聞こえた。
「あれ?ココ、・・・田先生?どうしたの?」
「宿題のノート返そうとしたら先にいっちゃうし、カフェで渡そうとしたら渡せなかったからさ」
「えー?ナッツハウスによるよ?」
「これから会議で遅くなるかもしれないから一応」
「そう?ありがとう!」
「じゃあ僕は学校に戻るから」
「あ、俺もカフェのほうへ戻るわ」
「うん!じゃあまた後でね!」

シロップがココと一緒に歩くのはとても珍しいと思ったけどそのときは心が軽くなっていたからそのまま何も考えずにナッツハウスへ向かった。

シロップには本当に感謝感謝!
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