side K



ミルキーローズとして華々しくデヴューしたのも束の間、もともとナッツ様にはばれていたし、ココ様にも多分ばれていたし、
時間的理由からみんなにもばれてしまった。

私は王国でココ様とナッツ様に憧れてお世話役を目指した。
それはとても厳しい試験の連続で王国でも最難関といわれる役職だ。
お世話役見習いとなってからもパパイヤ様の厳しい小言にも耐えてきた。
すべてはココ様とナッツ様のお傍にいるために!

王国が滅亡して、それでもお二人と出会えて、これ以上の至福はなかったのも束の間、私はココ様ののぞみに対する思慕を知ってしまう。
鳶に油揚げをさらわれる
このことわざを目の前で見ることになるとは思わなかったわ。
自分より優秀な人間ならまだしも(たとえばかれんとか)よりによってのぞみだなんて・・・・!

とにかく私の目の黒いうちはココ様によりつくのぞみを蹴落とすのが私の使命!
そんな闘志すら沸いてくる。

ひょんなことから私はココ様とご一緒に隣町のショッピングモールまで買い物に出かけることになった。これってデートなんじゃないの!?と、浮かれ気分で出かけた。
ショッピングモールでココ様が何かを探していたご様子で、
のぞみとシロップと出会ったとき、そういうことなのか、と妙に納得してしまった。

「今日は二人でデートなんだから邪魔すんなよ」
シロップがのぞみの肩に手をかけてそんなことを言ったとき、なんとなくシロップの意図がわかってしまった。
シロップはあろう事かココ様に良い感情をいだいていない。それを知っていたからよけいかも知れない。
「ちょ・・・!シロップなに冗談言ってるのよ!」
「あら!そうなの!やるわねのぞみ!ココ様、私たちお邪魔のようですからそろそろ帰りましょう!こんな時間ですし、夕食の支度もしないと!」
私はのぞみの言葉をかき消すかのように言いのけてココ様を連れてナッツハウスに帰った。

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