side K


HRが終わるとのぞみはばたばた教室を急ぎ早で出て行った。
ココ様がなんとなくのぞみを引き止めそうなそぶりをみせたからココ様の傍へいって授業でわからないところを教えてもらおうとした。(もちろん口実だけど!)
「ごめん、美々野、ちょっと待って。・・・夏木!」
そういって私を止めるとりんを呼んだ。
「なーんですか、小々田センセイ」
「・・・頼みがある」
「・・・安くはないですよ?」
「なんでも好きなだけ奢るよ」
「いいでしょう!なんでも引き受けましょう!」
「・・・・もし、まだのぞみが学園にいるようだったら図書館へくるようにしてほしい」
「やーっぱり高く見積もって正解だわぁ。さっきの勢いだともう帰っちゃったかもしれないよ?」
「だから、もしいたら頼む」
「ふー、じゃぁこれ、預けるよ。もし、もう帰っちゃってたら私がとりに行くから」
「すまない」
「私の親友泣かせるんじゃないよ!それと!小々田先生、」
「なんだい?」
「自重してね♪」
「・・・わかってる」

そういうと、私には見向きもせずにココ様はいってしまった。
私はその様子を呆然と見ていた。りんが私の背中を軽く叩いた。
「くるみ、いこっか。泣くときはかれんさんの傍のほうがいいでしょ」
「・・・余計なお世話よ!」


のぞみはまだカフェにいた。うららとかれんと話していたけどなんだかそわそわしていた。
「あ、りんちゃーん。もう帰ろうよ」
「のぞみ、悪いんだけど部活の集まりがこれからあるんだわ。そんでさぁ私図書館に財布おとしちゃったぽいんだよね。それ探してきてもらえない?」
「ええええええええええええ!?」
「頼むよ〜ほら、赤い財布、のぞみなら知ってるでしょ?多分奥のほうに落ちてると思う。今日は最後までこまちさんがいるはずだからこまちさんに預けておいてよ」
「なんか奢ってよ〜?」
「ん・ふ・ふ・ふ・ふ。探してきてくれたらなんでも好きなだけ奢ってあげる!」
「えー!何それ!りんちゃん、きもちわるーい!」
「もーいいから早く行ってきなさいよ!かわりに私がいって探して奢ってもらっちゃうからね!」
私がそういうとだめだめ〜!といいながらばたばたと図書館へ向かった。
のぞみが行ったのを確認してりんと私は席に着いた。
「あら?りん部活は?」
「ああ、あれは頼まれた口実ですから。今日は部活は朝だけなんです」
「そうなの?小々田先生にも自重してもらいたいものだわ」
「ですよね〜」
「かれん〜〜〜〜!!!!」
私はずっと我慢していたものがたまりきってしまって泣くのと同時に姿が戻ってしまったミル!
「わ!みるく!ちょっと気をつけなさいよ!」
りんに咎められたけどそんなこといっていられなかったミル。
「あらあら・・・それじゃあ今日はみんなでうちにこない?ウィーンにいらっしゃるお父様とお母様からチョコレートが届いたばかりなの。たまには女の子だけで、っていうのもいいでしょ?こまちはじいやに連れてきてもらいましょう」
かれんは本当にやさしくていつもみるくをやさしく慰めてくれるミル。

今日のところはのぞみに譲ってあげるミル!

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